脂肪分解作用の成長ホルモン、脂肪燃焼の有酸素運動と最強タッグ

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前回は多頻度での筋トレ(ウエイトトレーニング)メリットをお伝え致しました。

多頻度トレーニングの目安を週4〜5回としました。

筋肉の使う部位を分割する事で疲労部位を逃がし、トレーニング回数を増やす事が狙いです。

その事で多くのセット数をこなせる利点、そしてトレーニングを行う事で引き出される成長ホルモンの分泌回数が増えます。

今回はトレーニング成功の鍵である「成長ホルモン」の役割を少し細かく説明させてください。

成長ホルモンを促す運動の代表として筋トレ(ウエイトトレーニング)があります。

「効果的な筋トレ」という視点からですと、自己で行われている運動をみて気付く点があります。

 ★筋トレが効かない2大理由!

重さの選択が軽すぎる ⇒筋肉を発達させる為に必要な負荷が足りない

フォームが正しくない ⇒適切に筋肉を使えず、血液を送り込めない(パンプアップしにくい)

上記2点が難しく、パーソナルトレーナーなど経験がある専門家にアドバイスを求める必要があるのです。

可能であれば経験のあるスタッフ、トレーナーに適切なフォームと重量選択を確認したいところではあります。

パンプアップがキーマン!スロートレーニングが勧められる理由

以前にも記載したとおり、成長ホルモンは身体の材料となるタンパク質(筋肉、爪、皮膚、髪)の合成を促します。

また脂肪の分解作用も促すのです。

とても魅力的ホルモンですね!

ただ、筋トレを行えば成長ホルモンが分泌されるわけではないのが難しいところ。

また①の理由のように、筋トレを行うにあたりバーベル等をお持ちの方ばかりではないと思います。

そこで動作をゆっくり行うトレーニングフォーム(スロートレーニング、以下スロトレ)がお勧めされます。

動作をゆっくり行う事でどの角度でも力が抜けず、きつい運動となります。

スロトレの利点としては以下があります。

ゆっくり動作でフォームが正しく行える ⇒目的の筋肉へ負荷を適切にかける事ができる。結果、血液が送り込まれパンプアップ(筋肉がはった状態)する!

軽い重量で行える ⇒翌日の疲労(筋肉痛)は少ない  パンプアップといわれる、筋肉がはった状態は疲労物質が貯まった状態です。一見、悪い状態と感じられますがこのパンプアップ状態を作る事が成長ホルモンの分泌を促すポイントなのです!(その後、尿や汗で体外へ排出されますのでご安心を)

筋トレを行う=成長ホルモンが分泌と安易にはいきません…この筋肉がはった状態を作れるかを目安にトレーニングを行ってください。

成長ホルモン分泌と有酸素運動の相性、抜群に良いです!

この成長ホルモンは「トレーニング終了後15分程でピークにくる」研究をよくみます。

「脂肪の分解作用がある成長ホルモンが分泌されているタイミング」で有酸素運動を行う事で、効率良く脂肪燃焼を促せます。

また有酸素運動ではありませんが、日常で成長ホルモンが分泌された状態では脂肪のエネルギー化が促せます。

それもあり、朝に筋トレを行えば日常生活でのエネルギー源を脂肪中心に行える利点があるのです。

このような話をすると「夜のトレーニングでは駄目?」と聞かれます。

夜トレーニングは就寝前に成長ホルモンを促す事が出来る利点があります。

朝と夜のトレーニング、どちらも利点がありますのでライフスタイルに合わせて行ってもらえればと思います。

最後にもう一つ。

有酸素運動に多くの時間を費やしても思うような効果が出ない方から相談をよくうけます。

理由の一つとして、筋肉量の少なさがあります。エネルギーを使うエンジン(筋肉)が大いにこしたことはありません。

加齢に伴い減少した分は取り戻したい所です。

そして効果的な有酸素運動のポイントとして「筋トレを有酸素運動前に行う」事をお勧めします。

筋トレ⇒有酸素運動の順番です。逆に有酸素運動⇒筋トレでは成長ホルモンの分泌を打ち消す作用もあるため、お気をつけください。

〜まとめ〜

  • 成長ホルモン分泌の鍵は筋肉のパンプアップ(はった状態)にあり! パンプアップ状態をつくる為にスローな動作での筋トレを行う事が効果的(通称スロトレ)
  • 朝の筋トレで成長ホルモンを分泌する事できる。その後の生活で脂肪のエネルギー化を促せる
  • 成長ホルモンを分泌させる事で脂肪の分解を促す。筋トレを行い有酸素運動の順番が有効。

photo credit: 20130413_-143 via photopin (license)

恵比寿パーソナルトレーニング専門ジム 『Mind_Body』代表。 独自のトレーニング理論による姿勢、柔軟性、筋肉バランスに注視した指導を得意とする。 一般、選手、チームへの指導実績多数。➡GO PROFILE

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